10/17in立川「電力の地産地消」分科会のご報告

「電力の地産地消」分科会報告 立川市・大洞俊之

 この分科会では参加者が20名。こぢんまりとした分科会ですが、次の分科会までのぎりぎりの時間を使って質疑と議論が行われました。
 最初に立川市議の大沢ゆたかさんから報告が行われました。大沢さんが立川市中央図書館の電気使用が高すぎるのに気づき、その原因を探ってみたところファーレ立川にあるビルの冷熱システムに起因しているのでは、と考えました。賃貸料は高額で、その金額を抑えるために株式会社「立川都市センター」では二〇〇九年より東京電力からPPS(特定規模電気事業者)の株式会社エネットに契約変更をしました。
 大沢さんは原発の問題を直接市議会でやろうとしても「立川市と関係ない」とヤジが飛び、議論が難しいことから電力価格の問題を糸口にまな板の上に上げることを考え、さまざまな調査を行っていったわけです。そして競輪場、公共施設と立川市は次々とPPS契約に変更して、5000万円以上の節約を実現したそうです。
 PPSの発電能力はまだ全国で3〜4%、力関係も弱いため独占電力事業者に電気を売らざるを得ないなどまだ課題も多い状況です。そこで発送電分離を行い、競争原理を働かせて公共調達で価格競争をさせることが必要だと大沢さんは訴えます。
 ガウスネットの懸樋哲夫さんからはスマートグリッドスマートメーターの問題について提起がありました。携帯電話の電磁波を利用して東電に電力使用のデータを送るシステムがそれです。だが、これは人件費の削減など電力会社に都合のいいシステムというだけで、これをやれば原発がいらないということではないと言います。また携帯の電磁波の発がん性なども問題だと指摘しました。
 原発をなくして本当に電力が足りるのか、という心配の声はよく聞かれるし、この春の「計画停電」(というより無計画停電だが)はそういう不安をさらにあおるものでした。しかし、そういう不安をあおるのは原発推進派の一種の情報操作の面もあります。この日の分科会では、代替エネルギーとしてガスタービン・コンバインドサイクル発電の効率の良さを主張する意見などさまざまな発言がありました。
 電力需要一つとっても、いったいどれくらい本当のことが私たちに伝えられているのか?議論すればするほど不明瞭な部分が増えていきます。この日の分科会はエネルギー問題を考える一つの出発点だったと思います。